2014年4月16日水曜日

神戸大学RCUSSオープンゼミナール(4月19日、ご案内)

皆様  from 神戸大学 都市安全研究センター 北後明彦

神戸大学都市安全研究センターオープンゼミナールのご案内をいたします。
ご参加よろ しくお願い申し上げます。

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 RCUSSオープンゼミナールは、広く社会に都市安全研究センターの活動を広く
公開するとともに、関連する各分野の皆様からの報告を通じ て、安全な社会と
していくための研究や実践のあり方を議論しています。大学の教職員・学生の
ほか、安全・安心に関心を持つ市民の方々や、コンサルタントなどの民間企業
の方々、自治体の消防・建築・地域関係の職員の皆様などが参加されています。
参加費は無料です。興味のある方はぜひご参加下さい。


<第182回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
■日時:2014年4月19日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局

① 保育施設の市街地避難対応力に関する研究
   ピニェイロ アベウ 神戸大学都市安全研究センター研究員

 保育施設では、歩行が困難な乳幼児を預ける施設であるため、大地震、大火、
津波襲来など大規模災害時に市街地避難を行う場合、独立歩行が可 能な園児は
職員の誘導の下で歩行して避難させ、独立歩行が出来ない園児については、職員
が背負い又は多人数用ベビーカー(バギー)を用いた搬 送によって避難させる
必要がある。すなわち、職員の誘導能力や搬送能力、園児の避難行動能力があい
まってこそ、保育施設の避難対応を行う能力 が生み出される。このようなこと
から本研究では、職員と園児が力をあわせて市街地避難を行う能力を取り上げ、
保育施設の市街地避難対応力とし て定義する。本講演では、まず初めに、東日
本大震災時の津波襲来から避難を行った保育施設の事例を取り上げ、迅速な行動
につながった市街地避 難対応力の形成過程とその有効性を示し、次に、避難開
始地点から目的地までの移動に関する対応力に焦点を当て、神戸市沿岸部の保育
施設におけ る市街地避難訓練の観測調査に基づく、誘導員引率下の園児の年齢
別歩行速度及びバギーを用いた避難の際の準備時間・搬送速度など、保育施設の
市街地避難対応力を示す基礎データーの測定結果や課題について報告する。

② 海底における地殻活動の計測の必要性~地震予知に向けて
   阪口 秀 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
          神戸大学都市安全研究センター客員教授

 1995年に、ここ神戸の地に大災害をもたらした兵庫県南部地震以来、全国に
1000か所以上の高感度の地震計が設置され、我が国には世界に類を見ない地震観
測網が整備されています。しかし、地震計は既に発生した地殻のずれ=断層 運
動から発生する弾性波の地盤での応答を記録する道具であって、そのような地
殻活動が起こっていないときには何も記録されません。ところが逆に、地震計で
何も記録されないときには地殻は全く 活動していないかと言うと、そんなはず
はありません。地殻には時々刻々と運動エネルギーや歪エネルギーや熱のエネ
ルギーが出入りしていま す。その中で、極端な歪エネルギーの放出が地震とい
う現象をもたらすのですが、極端ではないときの地殻活動の計測を積み上げない
ことには、い つどこで地震が発生するのか?という疑問には答えられません。
このセミナーでは、海底における地殻活動の計測について、海洋研究開発機構
(JAMSTEC)でのこれまでの取り組みと、今後、神戸大学都市安全研究センター
と共同で進めるプロジェクトについての紹介を行います。


今後の予定

<第183回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
■日時:2014年5月17日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

① 東日本大震災の被災自治体による独自の住宅再建支援メニューの特徴と課題
   -広域巨大災害における住宅再建支援の再構築に向けて-
   近藤民代 神戸大学大学院工学研究科建築学専攻准教授

 東日本大震災の被災地では国の被災者生活支援法を超えて、自治体が独自の住
宅再建支援メニューを用意して運用しています。過去の災害におけ る支援メ
ニューと比べると、東日本大震災の災害の特質や地域性などを反映した独特の理
念・内容になっています。岩手県および宮城県における市 町村による住宅再建
支援メニューの特徴や課題を解説し、将来発生することが危惧されている広域巨
大災害を見据えて、どのようにして住宅再建支援を再構築していくべきかにつ
いて考えます。

関連するウェブページ
http://f-gakkai.net/modules/tinyd9/index.php?id=4
http://f-gakkai.net/uploads/gakkaishi/07-2-2.pdf

② 東京の事前復興まちづくり
   -気仙沼での復興支援も踏まえたResilientな復興主体論として-
   市古太郎 首都大学東京大学院都市環境科学研究科准教授

 東京の事前復興まちづくりは「阪神から学ぶ」取り組みの延長上に展開してき
ました。2001年に開始され、2014年3月時点で40地区で 「事前復興まちづくり訓
練」が実施されています。この間、2004年の中越地震、2007年中越沖地震、そし
て2011年の東日本大震災の避 難生活と復旧復興からも多くのことを学んできま
した。今回のセミナーでは、これまでの東京の事前復興まちづくりの成果を2011
年以降の新た な取り組みも交えて紹介すると同時に、Resilientな復興主体論、
すなわち、住民、自治体、専門家の関係性について、特に自治体と専門 家の役
割論について論点を示し、ディスカッションできれば、と思います。


上記以降は下記の日程でオープンゼミナールを開催する予定です。
●2014年 6月21日(土)14時~17時
●2014年 7月19日(土)14時~17時
●2014年 9月20日(土)14時~17時
●2014年10月18日(土)14時~17時
●2014年11月15日(土)14時~17時
●2014年12月20日(土)14時~17時
●2015年 1月24日(土)14時~17時
●2015年 2月28日(土)14時~17時
●2015年 3月28日(土)14時~17時
http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/

オープンゼミナールについての問い合わせ先
神戸大学都市安全研究センター
〒657-8501神戸市灘区六甲台町1-1
TEL: 078-803-6437(事務室 山崎)
FAX: 078-803-6394
TEL:078-803-6440(熊崎、北後)
http://www.kobe-u.rcuss-usm.jp/contact