2013年5月16日木曜日

神戸大学RCUSSオープンゼミ5月18日他ご案内


皆様  from 神戸大学 都市安全研究センター 北後明彦

都市安全研究センターオープンゼミナールのご案内をいたします。
ご参加よろ しくお願い申し上げます。

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神戸大学都市安全研究センターRCUSSオープンゼミナールのご案内

 RCUSSオープンゼミナールは、広く社会に都市安全研究センターの活動を広く
公開するとともに、関連する各分野の皆様からの報告を通じ て、安全な社会と
していくための研究や実践のあり方を議論しています。大学の教職員・学生の
ほか、安全・安心に関心を持つ市民の方々や、コンサルタントなどの民間企業
の方々、自治体の消防・建築・地域関係の職員の皆様などが参加されています。
参加費は無料です。興味のある方はぜひご参加下さい。



<第172回オープンゼミナール>
■日時:2013年5月18日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
    神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

① 発展途上国におけるジェンダー視点に配慮した
   コミュニティ防災力向上支援
     斉藤容子 人と防災未来センター研究員

 災害が多発し、かつ急速に発展を遂げるアジアの途上国において防災支援を行
うことは重要である。外部支援によってコミュニティ防災力を向上 には、住民
の人々の参加が大前提でなければならない。男性も女性もが地域の災害リスクを
軽減するための活動に関わるためにはどのような外部支 援の在り方が必要であ
るかをネパールやバングラデシュの事例を通して紹介します。

② 化学プラントにおける自衛消防活動のモデルについての考察
   ーTPMとハイパー自衛消防隊が事故の未然防止を防ぐー
     山本信一 消防防災ソリューションズ

 人類に豊かな社会をもたらすはずの危険物と言われる物質が、その取扱いを誤
ると、牙をむきだしてくる。その結果、火災により尊い人命が失わ れ、危険物
の漏洩・流失により、かけがえのない宇宙に一つしかないといわれるこの地球の
山紫水明の緑豊かな自然環境が汚染・破壊されている。 これだけ科学技術発達
してきているのに、どうして毎年毎年化学工場・化学プラントの火災・爆発、危
険物の漏洩・流失が無くならないのだろう か。
 最近の危険物施設事故の特徴は、①異状現象初動時における措置の誤りであ
り、また、設備の不備により火災を拡大させ被害を増大させているこ と、②発災
事業所の事故後における事業再開の困難があること、である。本報告では、昨年
発災した化学工場プラントの爆発火災、危険物製造所で の爆発火災の事故時の
対応、事故後の経過を示し、不測の事態に直面した時に、適切に被害を極限まで
小さく抑えることができるソフトパワーとし てのハイパー自衛消防隊を養成し
て対応することがさらに必要であることを、現在、養成中の自衛消防隊のモデル
の実践例をもって紹介する。



今後の予定

<第173回オープンゼミナール>
■日時:2013年6月15日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

<プログラム> (司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦)

① 被災地の復興過程におけるエンパワメント支援の方法と課題
    松岡広路 神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授
    同都市安全研究センター減災人間学研究分野教授(兼任)

  東日本大震災の津波被害集落の新しいまちづくり(持続可能な社会づく
り:ESD)における外部支援者の役割を、フィールドワークを踏まえて考究す
る。被災住民の主体性・自立性・創造性を醸成する支援、住民・地元行政・外部
支援者との親和的関係づくり、ボランティア活動のグラデーション(役割の変
化)をふまえたコーディネート、などをめぐる実際の取り組みを省察的に検討
し、ESDに求められる<実践共同体>の創成過程分析を試みる。

② 東日本大震災被災地におけるまちづくり支援(仮題)
     野崎隆一 特定非営利活動法人神戸まちづくり研究所理事
            一級建築士事務所(株)遊空間工房代表取締役
 2011年5月以来行ってきたことについて報告する。防災集団移転事業、漁業集
落防災機能強化事業、復興区画整理事業などにおける合意形成 支援。宮城県連
携復興センターまちづくりワーキンググループでの活動。神戸にて毎月開催して
いる311支援集会。被災地の活動家を招いての勉 強会など。
 東日本支援の現状と課題。阪神淡路の復興経験が活かされるのかについても触
れたい。




<第174回オープンゼミナール>
■日時:2013年7月20日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
    神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

① 「想定外」の地震被害:それでも「問題外」ですか?
     上西 幸司 国立大学法人東京大学 大学院工学系研究科 准教授

 「地震」と聞いて、我々が感じる「揺れ」あるいは「振動」を思い出す人がい
る一方、震源から伝わっていく「波動」を頭に浮かべる人もいる。 地震学は、
「振動」(地震計による記録)と主に地下を伝わる(目に見えない)「波動」と
の間に、より合理的な関係を見出だすべく発展してき た。しかしながら、特に
工学の世界においては、「振動」と「波動」という用語が再三混同して使われ、
また、研究手法も従来の「想定内」の低周 波水平動による「振動」解析から抜
け出せていないように見受けられる。
 本講演では、国内外で発生した複数の地震に際し見られた「想定外」の構造物
被害の発生メカニズム解明を通し、工学分野でこれまで「問題外」 とされてき
た地震波動が構造物に与える影響について簡単に述べる。地震に対する社会の靭
性等を科学的に論じる上では、いまだ「問題外」視され ている高周波や上下動
などの影響を「想定外」として無視してよいわけではないことをまず明確に認識
しておく必要がある。

② 見落とされている地震時の破壊的な鉛直波動とそれによる諸問題について
     前原 博 (一財)地球システム総合研究所 上席研究員

 地震時の局地的で強烈な鉛直波動による構造物の破壊現象は、海震で船舶が損
壊するのは粗密波であるという、海震についての常識が忘れられて いる現状に
気付かされた事が一つの契機になり、関連事象を見直すことから、現象の存在や
問題の輪郭が明確になりつつある課題である。
 この現象は地震計では正確にまだ捉えられておらず、地震現象に関する理解の
根源的な事柄から問題が発生しているので、多くの基本的な問題を 内在してい
る。そこでフェリー等が受けた海震に関する資料や、震災の体験証言および構造
物の破壊事例等について、限られた資料であるが見直し て、この問題に起因す
る諸問題を地震防災の立場から考察する。
 この考察は原子力関連諸施設を始め技術的な分野だけでなく各分野の、地震時
の安全性を考える場合の基本的な問題を提起するもので、関係資料 の種類と精
度を向上さすには、兵庫県南部地震を経験した各施設の管理者と市民の協力が不
可欠になっている。



<第175回オープンゼミナール>
■日時:2013年9月28日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

<プログラム> (司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦)

① 津波浸水域で発生する火災の地域的特徴と危険度評価手法について(仮題)
    今津雄吾 清水建設株式会社技術研究所

 東日本大震災では、多くの津波浸水域で火災が発生した。従来、津波避難ビル
等の整備や指定は、地震・津波に耐えて安全な空間を確保すること を主眼に行
われてきたが、震災の事例で明らかとなったように、津波直後は浸水や漂流ガレ
キにより十分な消火活動が行えないことや、2次的な避 難も困難となることか
ら、火災に対する安全性確保も重要な課題となっている。
 津波による火災は、燃料タンク等の危険物施設が存在しない一般の住宅地でも
多数発生しており、決して特殊な現象ではないが、
大まかにはその地域で発生したガレキの量や漂流・滞留挙動に関係しており、地
域によって火災発生の有無や延焼規模が異なる現状が見られた。
 本講演では、東日本大震災での火災事例をもとに、地形、津波高、住宅密度な
どの違いによる火災発生状況の特徴について分析した結果と、津波 漂流物予測
シミュレーションを活用した津波火災の危険度を評価する試みについて紹介する。


② 未定



※上記以降は下記の日程でオープンゼミナールを開催する予定です。
  (8月はありません。)
●2013年10月19日(土)14時~17時
●2013年11月16日(土)14時~17時
●2013年12月14日(土)14時~17時
●2014年 1月25日(土)14時~17時
●2014年 2月22日(土)14時~17時
●2014年 3月15日(土)14時~17時

オープンゼミナールについての問い合わせ先
神戸大学都市安全研究センター
〒657-8501神戸市灘区六甲台町1-1
TEL: 078-803-6437(事務室 山崎)
FAX: 078-803-6394
TEL:078-803-6440(熊崎、北後)
http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/