都市安全研究センターオープンゼミナールのご案内をいたします。
ご参加よろ しくお願い申し上げます。
神戸大学都市安全研究センターRCUSSオープンゼミナールのご
RCUSSオープンゼミナールは、
ほか、安全・安心に関心を持つ市民の方々や、
<第171回オープンゼミナール>■日時:2013年4月20日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-333-5740
■内容:
① 既往台風による可能最大クラスの影響評価
奥 勇一郎 大阪市立環境科学研究所 調査研究課 都市環境担当
台風によってもたらされる被害規模はその台風の進路に大きく依存② 水文学者と気象学者の共同研究する。ある台風による可能最大クラスの影響評価を行う場合、 その台風が様々な進路をたどった場合における強風雨を見積もり、 その最大値をもってなされるべきである。本研究では、渦位逆変換法による既往台風( 台風1979年16号)の位置操作を行い、 操作後の気象場を初期値として領域気象モデルを用いたアンサンブル計算を実施、 風速や降水量の観測値と比較することでその妥当性を評価した。一方、気候変化の影響により、将来、 台風の強大化が指摘されている。 同じ台風を対象として温暖化時の海面水温を与えた実験も行ったのでその結果についても紹介する。
-可能最大洪水の推定とアンサンブル洪水予測-
小林健一郎 神戸大学都市安全研究センター准教授
近年特に水文・水工学者と気象学者の共同研究が進んでいる。気候変動問題やこれまで予測もしなかったような豪雨による水災害について 考える場合に、両者の知識が最大限に必要だからである。 本研究ではこのような共同研究の2事例について示す。 一つ目は、奥らによる「可能最大クラスの台風」 を淀川流域の流出・氾濫モデルに入力することにより淀川本川枚方地点の水位・ 流量と流域の浸水深を基準とした「可能最大クラスの洪水」について考える。 同時に最悪クラスの洪水が発生した場合の避難行動についても検討する。 二つ目は、折口らによる「アンサンブル降雨予測」を入力とする「 アンサンブル洪水予測」 について兵庫県佐用川流域を対象に実施した研究例を紹介する。
<今後の予定>
<第172回オープンゼミナール>■日時:2013年5月18日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-333-5740
①発展途上国におけるジェンダー視点に配慮したコミュニティ防災力向上支援
斉藤容子 人と防災未来センター研究員
災害が多発し、かつ急速に発展を遂げるアジアの途上国において防災支援を行うことは重要である。外部支援によってコミュニティ防災力を向上 には、住民の人々の参加が大前提でなければならない。 男性も女性もが地域の災害リスクを軽減するための活動に関わるためにはどのような外部支 援の在り方が必要であるかをネパールやバングラデシュの事例を通して紹介します。
②化学プラントにおける自衛消防活動のモデルについての考察
―TPMとハイパー自衛消防隊が事故の未然防止を防ぐ―
山本信一 消防防災ソリューションズ
人類に豊かな社会をもたらすはずの危険物と言われる物質が、その取扱いを誤ると、牙をむきだしてくる。その結果、火災により尊い人命が失わ れ、危険物の漏洩・流失により、 かけがえのない宇宙に一つしかないといわれるこの地球の山紫水明の緑豊かな自然環境が汚染・破壊されている。 これだけ科学技術発達してきているのに、どうして毎年毎年化学工場・ 化学プラントの火災・爆発、危険物の漏洩・流失が無くならないのだろう か。 最近の危険物施設事故の特徴は、① 異状現象初動時における措置の誤りであり、また、 設備の不備により火災を拡大させ被害を増大させているこ と、②発災事業所の事故後における事業再開の困難があること、である。 本報告では、昨年発災した化学工場プラントの爆発火災、危険物製造所で の爆発火災の事故時の対応、事故後の経過を示し、不測の事態に直面した時に、 適切に被害を極限まで小さく抑えることができるソフトパワーとし てのハイパー自衛消防隊を養成して対応することがさらに必要であることを、現在、 養成中の自衛消防隊のモデルの実践例をもって紹介する。
<第173回オープンゼミナール>■日時:2013年6月15日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-333-5740
<プログラム> (司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦)
①被災地の復興過程におけるエンパワメント支援の方法と課題
松岡広路 神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授
同都市安全研究センター減災人間学研究分野教授(兼任)
東日本大震災の津波被害集落の新しいまちづくり(②東日本大震災被災地におけるまちづくり支援(仮題)持続可能な社会づくり:ESD)における外部支援者の役割を、 フィールドワークを踏まえて考究する。被災住民の主体性・自立性・創造性を醸成する支援、住民・ 地元行政・外部支援者との親和的関係づくり、 ボランティア活動のグラデーション(役割の変化)をふまえたコーディネート、 などをめぐる実際の取り組みを省察的に検討し、ESDに求められる<実践共同体>の創成過程分析を試みる。
野崎隆一 特定非営利活動法人神戸まちづくり研究所理事
一級建築士事務所(株)遊空間工房代表取締役
2011年5月以来行ってきたことについて報告する。防災集団移転事業、漁業集落防災機能強化事業、復興区画整理事業などにおける合意形成 支援。宮城県連携復興センターまちづくりワーキンググループでの活動。 神戸にて毎月開催している311支援集会。被災地の活動家を招いての勉 強会など。 東日本支援の現状と課題。 阪神淡路の復興経験が活かされるのかについても触れたい。
<第174回オープンゼミナール>
■日時:2013年7月20日(土)14:00~17:00
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-333-5740
①「想定外」の地震被害:それでも「問題外」ですか?
上西 幸司 国立大学法人東京大学 大学院工学系研究科 准教授
「地震」と聞いて、我々が感じる「揺れ」あるいは「振動」②見落とされている地震時の破壊的な鉛直波動とそれによる諸問題にを思い出す人がいる一方、震源から伝わっていく「波動」を頭に浮かべる人もいる。 地震学は、「振動」(地震計による記録)と主に地下を伝わる( 目に見えない)「波動」との間に、より合理的な関係を見出だすべく発展してき た。しかしながら、特に工学の世界においては、「振動」と「波動」 という用語が再三混同して使われ、また、研究手法も従来の「想定内」の低周 波水平動による「振動」解析から抜け出せていないように見受けられる。 本講演では、国内外で発生した複数の地震に際し見られた「 想定外」の構造物被害の発生メカニズム解明を通し、工学分野でこれまで「問題外」 とされてきた地震波動が構造物に与える影響について簡単に述べる。 地震に対する社会の靭性等を科学的に論じる上では、いまだ「問題外」視され ている高周波や上下動などの影響を「想定外」 として無視してよいわけではないことをまず明確に認識しておく必要がある。
前原 博 (一財)地球システム総合研究所 上席研究員
地震時の局地的で強烈な鉛直波動による構造物の破壊現象は、海震で船舶が損壊するのは粗密波であるという、海震についての常識が忘れられて いる現状に気付かされた事が一つの契機になり、関連事象を見直すことから、 現象の存在や問題の輪郭が明確になりつつある課題である。 この現象は地震計では正確にまだ捉えられておらず、 地震現象に関する理解の根源的な事柄から問題が発生しているので、多くの基本的な問題を 内在している。そこでフェリー等が受けた海震に関する資料や、 震災の体験証言および構造物の破壊事例等について、限られた資料であるが見直し て、この問題に起因する諸問題を地震防災の立場から考察する。 この考察は原子力関連諸施設を始め技術的な分野だけでなく各分野 の、地震時の安全性を考える場合の基本的な問題を提起するもので、関係資料 の種類と精度を向上さすには、 兵庫県南部地震を経験した各施設の管理者と市民の協力が不可欠になっている。
<上記以降は下記の日程でオープンゼミナールを開催する予定です> (8月はありません。)
●2013年 9月28日(土)14時~17時
●2013年10月19日(土)14時~17時
●2013年11月16日(土)14時~17時
●2013年12月14日(土)14時~17時
●2014年 1月25日(土)14時~17時
●2014年 2月22日(土)14時~17時
●2014年 3月15日(土)14時~17時
<オープンゼミナールについての問い合わせ先>神戸大学都市安全研究センター
〒657-8501神戸市灘区六甲台町1-1
TEL: 078-803-6437(事務室 山崎)
FAX: 078-803-6394
TEL:078-803-6440(熊崎、北後)
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